2007/05/23

G54B オーバーホール(2)

前回作業後なかなか纏まった時間が取れず、しばらく放置状態でした。
今後の作戦を立てるために主に計測メインの作業です。

1. ピストン取り外し


ピストンを取り外しました。あまりに長い間放置してたので、錆びてなくて良かった。(笑)


コンロッドメタルの状態です。1番、2番に線傷が入ってます。ナットを飲み込んだ4番は特に問題無い様です。全気筒とも同じ様な状態ですが、傷やピンホールみたいな物があり、素人目に見ても理想に近い状態では無い様に見えます。再使用するか悩むところです。
写真がうまく撮れなかったのですが、コンロッド側もばっちり線傷が入っちゃってます。(T_T) でも、あまり神経質にならなくてもいいのかもしれません。


1年前にOHした事を考慮すると、ピストンの当たりが強い様に感じます。前回磨かずにそのまま組み込んだのかもしれませんね。これも4番の状態が他に比べて特に酷いという訳でなく、全体的に同じような状態です。
ちなみにシリンダーはクロスハッチもきっちり残っており、傷らしき物はありませんでした。そのまま再使用可能と判断しました。

2. 燃焼室容量測定

圧縮比の計算をしたかったので、燃焼室容量の測定を行いました。
Webで調べたところ、測定液をビュレットを使って滴下して量るのが一番正確な模様。でもモノタロウで調べたら1万円以上するじゃないですか。とても買えません。精度は落ちますが、シリンジ(注射器の事です)を使う事にしました。
測定液はATFが軟らかくて良いらしいです。それに適当に灯油を混ぜてさらにサラサラにしました。

2mmのアクリル板を加工して蓋を作ります。周りにグリスを塗って機密性を確保し、上の穴から測定液を注入します。Webで調べた記憶を頼りに注入用とエア抜き用に2つ開けたのですが勘違いでした。1つで十分な様です。まぁいっか。アクリルカッター代を惜しんで普通のカッターで切ったら結構めんどくさかったです。


シリンジはストレートで買った50mlの奴を使いました。んが、測定液を吸い上げるとピストンがかじってしまいスムーズに動かせません。オイルを塗ってみたりしましたが、すぐダメになってしまい非常に注入しずらいです。ピストンのゴムも摩擦で変形しまくりで正確な量が押し出せているのか甚だアヤシイ状況です。


んで、ぶちまきました・・・・
何度か繰り返し測定している内に、測定液を吸い上げる時にピストンが硬くて、力任せに引っ張ったらゴムが取れてご覧の有様です。半分オイルなのでべたべたです。非常にブルーな気分でこの日は終了です。

2.5 リベンジ


(画像撮り忘れで呉工業さんから拝借しました)
道具を揃えてリベンジです。50mlのシリンジでは1mlの単位が非常に不正確だったので30mlと10mlのシリンジを用意しました。測定後、液を回収するのにピペットも購入しました。これら、横浜の東急ハンズ に買いに行ったら置いてませんでした。イタズラがどうのこうので置いてないって店員は言ってましたが、こんなものも普通に買えないなんてせちがない世の中です。でも新宿のハンズには大量に置いてました。(笑)
ピストンのかじり対策でシリコンスプレー も買いました。これ、ふすまの敷居に吹き付けたところ、開け閉めが音速に近付きました。


測定液の隣の物体はグリスです。写真をとる前に足元に置いてたら蹴っ飛ばしてまたぶちまけたというのは内緒です。
シリコンスプレーを裏側から吹きながら作業したところ、非常にスムーズに出来ました。5回測定して偶然にも同じ値に。78.0mlでした。このヘッドは1mm面研してあります。


前回の測定結果を元に圧縮比計算したらとんでもない値になりました。原因はピストントップの容量を無視した事。シリンダー上面とツライチだと思ってましたが、1mmぐらい引っ込んでいる様です。今回は上死点を出してヘッドと同じ方式で計測します。シリンジは10mlの物を使いました。5回量って結果は平均6.2ml。やはり無視できない値でした。


ガスケットの厚みもマイクロメーターで測定します。各気筒、数箇所測って平均1.28mmでした。規定トルクで締め付けた時にここからいくらか潰れる筈ですが、一回使用した物ですのでこのままでも大体近い値になるかと思います。

3. 測定値の検証

測定した結果がどれぐらい信用できるのか検証します。

カタログスペックから、ノーマルG54Bの燃焼室容積を計算します。

計算式(1):燃焼室容積 = 排気量 / (圧縮比 - 1)

1気筒辺りの排気量は、ボア91.1mm ストローク98mm ですので下記の通りになります。
ボア半径 * ボア半径 * 3.1415 * ストローク / 1000 ≒ 638.8 cc

圧縮比は8.2ですので、これを計算式(1)にあてはめると燃焼室容積は
638.8 / (8.2 - 1) ≒ 88.7 cc となります。


では、測定結果と付け合わせして見ましょう。

ガスケット厚が1.28mmでしたので、ガスケット分の容積は
ボア半径 * ボア半径 * 3.1415 * ガスケット厚 / 1000 ≒ 8.3 cc

燃焼室容積 = ヘッド容積 + ガスケット容積 + ピストントップ容積 ですので
68.0cc + 8.3cc + 6.2cc = 82.5 cc となります。

このヘッドは1mm面研していますので、単純に1mmの円筒分が足りないと仮定して面研分 ボア半径 * ボア半径 * 3.1415 * 1mm / 1000 ≒ 6.5 cc を加算すると

82.5cc + 6.5cc = 89.0 cc

まぁなんということでしょう。計算値との差分が0.3ccしかありません。本人もびっくりです。


たまたま偶然なのか、この方式でも精度良く測れるのかは不明ですが、測定結果を信頼する事にしました。

4. 圧縮比計算

さてと、ようやく本題の圧縮比計算が出来ます。前述の通りヘッドを1mm面研していますので、幾つになるのでしょう?

計算式(2):圧縮比 = ( 排気量 / 燃焼室容積 ) + 1
(638.8cc / 82.5cc) + 1 ≒ 8.74 となりました。1mm面研で結構上がるものですね。

ん???あれ?気が付いた?1mm面研だからカタログスペックから1mm分の6.5ccマイナスすれば計算出来るんじゃないかって?あははは、バレたか。まぁこの結果がどこかで役に立つときもいつか来ますって。

長くなりましたので、続きはまた次回という事で。長文失礼しました。


おまけ


オイルパンを洗浄したところ、片寄り対策加工がされていました。効果の程はわかりませんが、前回オーバーホールしたショップ、なかなか真面目な仕事をしています。

1 コメント:

rossi さんのコメント...

面研して8.7って、なんか低い気がするんですが、ジープな世界ってそんなもんなんでしょうか?